やっと分娩室に到着。
うちの病院はフリースタイル出産が可能なので
とりあえず横向きになる。
看護師さんから横向きで産みたい?と聞かれてよくわからないけどはい、と言ってみた。
旦那も立ちあって、同じく腰をさすってもらう。
まずは破水させようと看護師さんが膣に指をつっこんできた。
いきんでみて!と言われるが
いきむ、って感覚がいまいちわからず無理〜!いやぁ〜!と叫ぶ。
陣痛室で比較的理性的で静かだった私ですがここへきて分娩室にて、
いきむ感覚がわからず、あほみたいにとりみだしはじめる。
いきむ。って陣痛のすごく痛い瞬間にうん!って膣に向かって力むんですよね?
ありえない!!無茶苦茶痛い!!
それがなかなかできず、ついフゥゥー、フゥゥーっていきみを逃してしまう。
痛みから逃れる術はなかなかだった私。
しかし、痛みに立ち向かう行為はまるで駄目でした。やっぱりチキン丸出し。
横向きスタイルから、普通の分娩スタイルに変えていきみ、やっとのことで破水
この時点ですでに一時間たってました。
それ迄に陣痛がくるたびについいきみのがしをしてしまい、有効陣痛を何度ものがしてしまいます。
助産師さんが膣に指を入れて、こっちよ〜!といきむ方向をガイドしてくれて陣痛のたびに、いきむが下手くそでなかなかうまくいきめない。
いきむっていうのが無茶苦茶痛い
痛いから怖くていきめない。
いきむのが痛いということは想定外でした。
三四回がんばっていきんだ時に
もう出ますか?
と聞くが、まだまだだと言われる。
よく、分娩室に入って4,5回いきんだら出た!とか、一時間程度で出たとか聞くけど
それを聞いてみたら、そんなのナイナイ、と笑われて愕然とする。
陣痛についての知識は結構仕入れていたのですが分娩室での知識についてはイマイチわかってませんでした。
子宮口全開大だったら簡単にでてくるもんじゃないの!?
何度も頑張っていきむが、うまくいきめない上に、全く出てくる気配がない赤ちゃんに心が折れそうになる。
しかも旦那もいるのにいきむたびに排便してしまい、最悪でした。
お尻に指を入れられてる感覚になり、
お尻に指を入れないでください!!と怒るが、何もしてないよ〜と言われる。
この時点でおしりの脱肛が酷いことに気づく。
いきみたい時にいきんだらいいよ!と助産師さんは言うけど、いきみたいって感覚は、産み終わるまで私にはとうとうわかりませんでした。
今考えたら私は陣痛が弱かったんだと思います。
痛いのは痛かったのですが、弱い陣痛のままだったからいきみたい感覚がなかったんだと
今ならわかります。
そうこうしてたら産婦人科医の先生が登場。
何回か検診で見てもらったことのある先生でした。
検診の時は優しい感じでしたが、今日はなんか怖くて。
同じように膣に指をぐっと入れて、こっちにいきむ!と先導してくれるが、全然言うようにできず、下手っぴな私に最終的に苦笑い。
まだまだだね。みたいなあきれ顔で早々に分娩室を出ていってしまう。
先生に、もう無理かも〜、できない〜、
いつ産まれますか〜、等の弱音をはくけど
ハハハ、と濁されて終わる
そのうち、自分はもう産めないんじゃないかと錯覚に陥る。
その後また助産師さんと二人で一時間ほどいきみはじめるが下手くそでやっぱり産まれない。
まだですかあ?もう嫌だ、
先生、先生を読んでください〜!と取り乱す私。
再度先生が登場し、さっきと同じように膣に指を入れて、はいこっちの方向にいきんで!と言われるがやはりうまくできない。
いやいや、そうじゃないよ、と呆れる先生に、
いきんでる最中
『間違ってますか?』と聞いてしまうが
『ていうか、いきんでる最中に間違ってますか?とか喋っちゃうのがそもそも間違い』
と冷静にぴしゃりと言われる(−_−;)
確かにそうだ。
うまくできないくせに力だけ入って顔はびしょびしょ、
しかも途中おかまいなしにゲフッとリバース。もう無茶苦茶。
帝王切開になる?下から産める?もうダメです産めない、と弱音をはくが先生は苦笑いで無視。
どうやら陣痛が微弱になってきたのと
赤ちゃんの頭が大きいことや、
朝からあまり食べてないからふんばれないことをあげてきた。
それもあるだろうけど、運動嫌いな私。
腹筋もないのでそういうのがまるっきり駄目なんだと思います。筋力がない。
そしてさっきも書きましたがやっぱり陣痛が微弱だったんだろうなと後になって思いました。
子宮の収縮の力が弱く、無理やりひり出そうとしてたんだと思います。
まだまだなんですか?と言うと赤ちゃんが全然おりてきてくれないからまだまだですと言われて、本気で死にそうになる。
この時点で時間はもう10時に近かったきがします。分娩室に入って四時間がたってました。
ここでやはりどうやら陣痛が弱いみたいだということで
いきみ感を足すために陣痛促進剤を入れることになった。
しばらく陣痛促進剤をいれて横向きスタイルで寝ることに。
先生は離席して助産師さんとまた二人でがんばる。
助産師さんが無理しないでいいよ、しばらく休憩しようねといきむのを休憩してくれました。
フーっフーっと陣痛を逃していて、このいきみのがしのまま産めたらどれだけ楽だろうかと思う。
その陣痛も段々強くなってきていきみ逃しも辛くなってくる。
この時、急に、逃げちゃだめだ!
産もう。何があっても!
私が逃げたらだめなんだ!
なんとなくそう腹を括りました。
痛くてもいきもう!
そう決めて助産師さんにもう一度分娩スタイルになっていきみたい、と自分からお願いしました。
腹を括ってからはなんか前よりうまくいきめて、赤ちゃんがちょっとずつ下がってくる。
どうやら陣痛促進剤がきいてきたみたい。
産婦人科医の先生が再度やってきたとこで、
先生に、がんばる。、私は絶対産む!って宣言したら、先生の顔色が変わった。
『偉いぞ。そうなったらこっちも頑張るよ。産む。そういう気持ちがないと!』
と、笑顔で言われてやる気がでてきた。
先生も私の弱気発言が気に入らなかったのかな?
先生が、病衣みたいなのに着替えて急に分娩室に複数の助産師さんが入ってくる。
ハサミと吸引機をもってて
やっぱり赤ちゃんが大きめだから、少しお手伝いします。と言われて、よいか聞かれる。
二つ返事でokを出す。
会陰はマッサージを入念にしてたので残念だったけどしょうがない。
これで出るならなんでもやって!って感じでした。
さぁ、頑張るよ!と先生に言われて無茶苦茶がんばった。
やっぱりちょっと下手なので
分娩スタイルよりその足起き台の上にM字開脚させられていきまされる。
それがハマったみたいで
いいよ!その調子、そうそう!と言われてがぜんその気になる。
何度となくいきんでいきんで先生が赤ちゃんの頭を指で何度もかきだす。
顔はびしょびしょ、無我夢中。
鬼のように痛い!
先生は、『やっぱりちょっと頭でかいなぁ』とつぶやく。
と、ここでいきなり旦那が貧血でたおれる!
後後聞くと、頭から血がさーっと引いて一瞬気が遠くなったらしい。
ここで旦那が陣痛室に運ばれることになりました。
なんと朝からずーっと何も飲まず食わずでつきそってくれた旦那さん
こんなクライマックスにリタイヤ。
あまりの彼らしさに、分娩中なのに「まじかー」と口からでてしまう(笑)
ここで付き添いは母にチェンジ。
このまま生まれる瞬間まで旦那が分娩室にもどってくることはなかった・・・
かわいそうすぎる、旦那!ここからあと30分ぐらいで生まれるというのに!
赤ちゃんは、段々でてきてるようで、
先生が会陰に麻酔をして吸引機を取り出した時はもうすぐなの??と勇気が少し出る。
どんどんくる陣痛にあわせて、貼ってきました〜と弱々しく宣言してそのたびにいきむが、やっぱりなかなかでない。
何度かしたのち、赤ちゃんの頭に吸引機がとりつけられる。
エインもこのあたりで切られたんだろうけれど痛みはなかった。
やっとだ!と思うがこっからもなかなか出ない。
しかしがんばる!痛すぎて死にそうだけどやめるわけにはいかない。あたりまえだけど!
三度目のか四度目かの陣痛で膣が燃えるように熱くなる。
もう出したい!
私に酸素マスクが取り付けられる。
赤ちゃんの心拍が下がるから呼吸しないと駄目!と言われるが、辛くてふりはらってしまう。
そこからすぐかとおもいきや、こっからも長い!
頭が出そうででなくて、何度も吸引する。
赤ちゃんは、もう出ていいです?出ていいんですか?出ますよ、出ます、あ、でも、やっぱやめます~
みたいな感じでなかなか出てこない。気が狂いそうになる。
もう出ますか?
もう出ますか?
の問いに
次できめたい!と先生が。
そのままいきんでると、膣がもっと燃えるようになった。
どうやら頭が膣にはさまったようなかんじ。
それが自分でもわかってかなり痛くて
足をばたつかせ、閉じてしまう
「もういや!痛い~痛い~! 無理ぃいい、もうだめーーいたいいーーー」
と体をくねらせて、酸素マスクを右手で取りはらい遠くに投げてしまう。
先生たちは「もうすぐだから!」とか「足あけて!」と叫ぶ。
先生も痛いな、痛い、痛い。がんばれ!って言ってくれて
助産師さんも「こんどこそもうすぐよー」と言う
先生が笑って「何度言ったん?その一言」とか言ってて
助産師さんが「何度もうそ言ったけど今度のはほんと」
とか言い出す。 私がこんな取り乱しても、こんなのは日常茶飯事なんだなぁと感じた一瞬だった。
そして最後のいきみでうぐーっと力こめていきんだら!やっと赤ちゃんが出た!
頭出たよ!を聞いた時、産む瞬間は気持ちいいときいてましたけど!?
頭が出ても肩だすのがまた痛くて。
出しても気持ちよさなんか微塵も感じなかった。ていうかまだ痛かった。
そのうちいつのまにか
オギャアオギャア!と泣き声が。
すぐにカンガルーケアをしたかったけど、
吸引分娩だったし、破水が早かった為、
出産までにお腹の中の少ない羊水でうんちをしてしまってそのよごれた羊水を飲んでしまい、そのチェックが先にあってやっとだっこができました。
母親は感動して号泣。
私は呆然
生んだ瞬間かわいいとか感動とか泣くとかきいてたけど
ぜーんぜんでした。
何の感情もわいてこなかった。
いとおしいって感情も、正直わかなかった
ただただ病院の天井を呆然と見詰めるだけで
「終わった・・・・・・・」
って感じでした。
あしたのジョーの真っ白に燃え尽きたぜ、みたいな感じでした。
生んだ瞬間痛みふっとぶとか聞いてたけど、普通にずっと痛かった。産んでも痛かったし
一生忘れることないわって思った。
それにしても長かった・・長すぎた・・・
って思いました。
この感じ、何かにてるなぁと思ったら採卵と似ていました。
もう無理、もう終わった、もう無理、ってことばかりで、
赤ちゃんがどうとか感動がどうとか全くなかった。
とうとう終わった!
そのうち赤ちゃんが私の胸の上にやってきて
でもこの物体(失礼)が本当に私のおなかの中からでてきたのかなんだか眉唾物で(笑)
なんか信じられなくて。
顔をみてもしわくちゃで、そうなんだ~って感じで。
思ってた感じの感情はわいてこなかった。
私の中の出産の感動のピークは「子宮口もう全開ちかいね。今日中に生まれちゃうよ」って言われた時がMAXでしたw
あの時涙出し尽くしてしまった。
それから二時間カンガルーケアをして、
旦那(赤ちゃんが生まれた声で陣痛室で目覚めたらしい)とお母さんとうだうだ雑談しながらえいんを縫ってもらい、悪露の処理をしてもらい。
写真をとったり、あの時はああだったこうだったなどとうだうだ話をして。
すべての処置が終わったのが夜中の2時半
ベッドに寝かされて服をきせられたり色々処置されて。
赤ちゃんは明日まであずかっておきますね。といわれて。
寝てくださいと言われたけれど、寝れなくて
このレポートを朝まで書き続けてました。
興奮して朝までねれなかったです。
最後にこのレポートだけだと白状だと思われそうなので
追記しておくと
今は赤ちゃんすごくかわいいです!
なんていうか、母乳をあげながらふつふつと愛情があとからわいてきた感じです。
最初「なぁに、この変な表情~ ぶさいくーへんなのーぷぷ」
って思ってた顔が
その「いつもの」表情をみて ぶわーっと愛情が高まって、すごくかわいい!っておもいはじめました。
入院中母子同室だったので、トイレやシャワーの間
新生児室に預けないと駄目なんですが、預けてると寂しいって思ったり。
私は生んだ瞬間痛みがふっとぶなんては一切思わなかったし
生んだ瞬間かわいい~!って母性炸裂にはならなかったです。
実は今も自分が母なのか?っていうのもよくわかってなくて
なんだかずっと夢見心地です。
色々自分が思ってた感じとは違っていて・・・
そしてそんな夢に浸るまもなく、 おっぱい合宿おっぱいおっぱいおっぱいの一週間に突入していきました。
後、最後に、出産より私は採卵のほうが痛かったです・・・
なんていうか陣痛や分娩の痛みは、 人間がぎりぎり耐えられる痛みにきちんと設定されてる感がありました。
確かに痛いんですが、陣痛には休みがあるし、
痛いんだけど痛みの深さは想像の範囲内にまだ収まっていた感じです。
でも採卵の痛みは! 想定してた痛みの深さをさらに超えてきて、殺されるんじゃないか
拷問じゃないか?ってくらいの激痛でした。
秒数は8秒×6回ぐらいでしたが、私は採卵の痛みは耐えられる痛みではなかったです。
(今考えると無麻酔だったんじゃ・・とすらおもいます。)